夏至と月と

日の長さが変われば、光が射す角度も違い、影の濃淡のバランスも変わる。

ホトトギス

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季節外れの暑さの中を、歩いて花を買いに行く。花屋には季節の花々が並んでいた。汗ばんだ首筋をハンカチで拭いながら、秋色のホトトギスという花を買った。小さい花が一本にいくつも付いている。ユリ科ということもあって、小さい花の割には気品があり、大人びた少女のような雰囲気だ。無邪気な笑顔を見せつつも、育ちの良さというか、内面的な美しさも持ち合わせている感じがする。

 

花を抱えながら雑多な街を歩いていると、自分だけ特別な時間が流れているような、不思議な優越感に包まれる。

これもまた花の持つ魅力なのだろう。

花に同調するように、ほんの少し、気品を持って背筋を伸ばして歩いてみた。