夏至と月と

日の長さが変われば、光が射す角度も違い、影の濃淡のバランスも変わる。

無造作ヘアーができない女。

お題「これって私だけ?」

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 無造作ヘアーに憧れる。

どうもヘアーを無造作にセットなんてできない。

無造作ってものすごい難しいではないか。

どうしてもぴっちりしたくなってしまうのだ。

 

 昔子供の頃、髪の毛が多い私はポニーテールにしても、三つ編みにしてもいつもすぐにぼさぼさになってしまっていた。子供心に嫌で嫌で仕方なかった。小学校高学年くらいになると、学校では禁止されていたムースやワックスを使ってぴっちりあほ毛を押さえた。

 

 ずいぶん大人になった私は未だに「ちょっと横から髪をたらす」とか「編んだ髪を少し引き出してふわっとさせる」みたいなことがまったくできない女になっていた。

オイルで髪をきっちり撫で付け、しっとりぴっちりしていたかった。

 

 しかし、街行く女子たちの少し乱れた後れ毛やゆるーく編まれた髪の毛を見るたびに、「女の子らしくて素敵だなー」と羨ましくも思った。

 

 家に帰って試しにヘアーを無造作にセットしてみた。「どれくらい横から垂らしたもんかなー」三つ編みを編みながらも「ゆるゆる。ゆるゆる。」とぴっちりしすぎないように念じながら編んでいった。

 

 出来上がりはひどいものだった。

鏡の中には子供の頃のぼさぼさ頭の私が哀し気に立っていた。